初日の初回に行ってきました。
さっき、パンフレットを読み終えたところ。

尊敬する 鎌田 實 先生の
『「吹き溜まりの」の中の美しい心たちは人々に勇気を与える 』
というコラムがあった。
鎌田先生も「それぞれの朝」という副題が生きていると書いている。
「閉鎖病棟の中で生活する患者たちに、それぞれの朝があるだけでなく、息苦しく呪縛された世界で、今を生きているぼくたちすべてに、それぞれの朝があることに気がつく」

いまは、病院から社会へという流れがあり、
閉鎖病棟が生活の場であるような状態は減ってきていると思うけれど、
原作が書かれたころや、わたしが精神科医として精神病院で仕事をしていたころは
長年、病院で生活していて、そこで暮らしているような患者さんが多かった。

映画を見ていて、「閉鎖病棟」で仕事をしていたころのことを
いろいろ思い出した。ずっしりと重い太い鎖の先に結ばれていた病棟の鍵。重い扉。
病棟での日課。様々な行事。
そう、映画の中の「閉鎖病棟」、俳優さんが演じる「患者」、そして「ご家族」
全てにリアリティがあって、つらくなった。

以前、「クワイエットルームにようこそ」という映画を見たときには、
ユーモアで隠されていた、事実が、この映画では
真正面から描かれていた。

それだけに、フィクションで描かれる事件の背景にある
「無償の優しさ」が真実として迫ってくる。

平山監督は、その優しさをすくいとって、素晴らしい映画にした。
こんなにも重い内容の映画なのに見てよかったと感じられるのは
何もかも失っているかのようにみえる人たちが
互いに手を差し伸べ合う、その優しさと美しさが
きちんと描かれているからだと思う。

鶴瓶さん、綾野剛さん、小松奈々さん、素晴らしかったです。

私が、好きなシーン

チュウさんが由紀と、秀丸さん、昭ちゃん、4人で買い物に外出するところ。
それから悲しいんだけれど、サナエさんが海を見ながら歌うところ。

原作で自分と重ね合わせた新川医師が登場しなかったとのは
残念だけれど、その役割を看護婦長を演じた小林聡美さんが担当していたように感じた。
また、もう一度、原作も読んでみようかな。

きょうは一日映画の余韻で過ごしたように感じています。

いつものことですが、きょうはいつも以上に強く、
この映画と原作に出会う機会を作って下さった
綾野剛さんにこころから感謝したいと思います。